2010年03月26日

<雑記帳>「ぽん太」使って樹木内部簡単に診断 島根・出雲(毎日新聞)

 島根県出雲市の建設コンサルタント会社「ワールド測量設計」などは25日、周波数を測定することで樹木内部の腐朽を調べる簡易診断装置「ぽん太」を開発したと発表した。

 超音波方式の機器などは大がかりな装置が必要で高価だが、ぽん太は9万9750円。ハンマーでたたくだけで診断が可能で、初期診断が誰でも手軽に行えるという。

 商品名は樹木をたたいた時の音からで、キャラクターにはタヌキを使用。開発に携わった担当者は「とにかく簡単。化かされたと思って使ってみて」と自信満々。【細谷拓海】

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2010年03月23日

<DNA>誤情報で逮捕状 登録データ別人 神奈川県警(毎日新聞)

 昨年11月に横浜市内で起きた窃盗事件で、神奈川県警が現場の遺留物と警察庁が管理するDNA型データベースのDNA型が一致した男性の逮捕状を取ったものの、データベースに登録されていたのは別人のものだったことが県警への取材で分かった。県警が登録段階で取り違えた可能性が高いという。DNA型データベースは捜査の有力な手がかりになるだけに、警察庁は「今回の原因を調査して、同様のことが起きないよう指導していく」とコメントしている。【池田知広、長野宏美】

 県警刑事総務課によると、横浜市旭区の飲食店で09年11月、70代の女性経営者が客にバッグを盗まれる事件が発生。女性の証言に基づき、店内の犯人の遺留物からDNA型を採取、鑑定してデータベースで検索すると、男性の名前で登録されていた型と一致した。

 このため、県警旭署は今年1月に窃盗容疑で男性の逮捕状を取るとともに、自宅を家宅捜索した。しかし男性は否認を続けたため、県警が男性から任意提出を受けた検体のDNAを鑑定したところ、データベースの型と一致しないことが分かったという。逮捕状は執行されなかった。

 男性は07年に横浜市神奈川区で起きた別の事件で逮捕され、県警にDNAを採取された。この検体は神奈川署から県警科学捜査研究所(科捜研)に送られ、科捜研が警察庁のデータベースに登録したが、同署が科捜研に検体を送る際に別人のものと取り違えたとみられる。

 同課によると、窃盗事件の現場に残されていた遺留物と同じ型の人物は今も不明で、事件は未解決。逮捕状を取った男性のDNA型はデータベースに登録されていないという。

 常盤一夫課長は「警察署で起こったヒューマンエラーの可能性が高い。間違われた方には大変申し訳なく、大変遺憾。再発防止に努めたい」と話した。

 ◇04年12月に運用開始

 警察庁では04年12月から犯罪現場に容疑者が残したとみられる血痕や体液などのDNA型記録を登録し検索するデータベースを運用し始めた。さらに05年9月には、容疑者の身体から採取された資料の記録も登録して検索の対象とするシステムを開始した。

 現場に残された資料や容疑者のDNAは、都道府県警が検体を採取し鑑定、オンラインで結んだ警察庁管理のデータベースに登録する。新たな事件が起きた際などにデータ入力すると、自動的に照合することができる。

 警察庁によると、2月末現在で容疑者本人のDNA型情報は8万209人分、現場で採取したDNA型情報は2万1808人分が登録されている。約1000万人分(09年末現在)が登録されている指紋に比べると少ないが、DNA型データベースの充実を目指している。【長野宏美】

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2010年03月18日

【医薬最前線】第1部 ドラッグ・ラグの行方(2)「金の切れ目が命の切れ目」(産経新聞)

 「こういう日が来ることは予想していた」。千葉県松戸市の末期がん患者、小倉恒子さん(57)。昨年11月に受けた検査で黄疸(おうだん)指数が異常な上昇を示していた。乳がんの抗がん剤「TS−1」の副作用だった。

 現役の耳鼻科医でもある小倉さん。跳ね上がった指数が意味するところは十分に理解できる。「来るべき時が来た…。もう使える薬がない」。不安と怒りが押し寄せてきた。

 抗がん剤は、現代のがん治療において最も有効な手段の一つだ。しかし、同じ抗がん剤を使い続けると、がん細胞が薬に「耐性」を持ってしまうという弱点がある。薬を変えながらの治療が強いられる。

 34歳で乳がんが見つかった小倉さん。耐性を持つたびに薬を変え、すでに10種類以上の抗がん剤を使ってきた。そして昨年とうとう国内で使える薬がなくなってしまったのだ。

 でも小倉さんはあきらめてはいない。日本では承認されていないが、海外にはまだ効果の期待できる抗がん剤が残っているからだ。

                ■  ■  ■

 海外で使われている薬が、国内で使えない「ドラッグ・ラグ」。日本人の2人に1人がかかり“国民病”といわれるがん治療にも、暗い影を落としている。

 癌研有明病院新薬開発臨床センターの畠清彦センター長によると、日本では約100種類の抗がん剤が承認されているが、これは世界で使われている半分にすぎない。新薬が使われるのも決まって世界で70〜80番目という遅さだ。

 患者数の少ない難病用の治療薬と違って、がんは患者数も多いため、製薬会社間の新薬開発競争も盛んだ。その新薬開発ペースに、日本での承認体制が追いつかない状況が生まれている。毎年のように登場する新薬に対応できず、ラグを1つ解消しても、すぐに次のラグが生まれる事態となっているのだ。

 また、がん治療では2つの抗がん剤を併用することも多い。片方が承認済みでも、もう一方が日本ではまだ承認されていないといった状況も発生している。

 畠センター長の下には「死んでもいいから新しい薬を試したい。何も試さずに死ぬよりは…」と申し出るがん患者が後を絶たない。

 だが日本の現行制度では、小倉さんのように国内承認された抗がん剤を使い果たしてしまえば、対症療法(モルヒネ投与などの緩和ケア)へと移るか、海外の未承認薬を個人輸入するしかない。

 「海外で開発された新薬が安全かを十分に調べるなど、安全性への配慮は必要だ。しかし、もう少し早い運用が可能な仕組みに制度を変えるべきではないか」と、畠センター長は指摘する。

 小倉さんは12月、欧米で流通している抗がん剤「アブラキサン」を個人輸入しはじめた。月40万円を超える薬代はすべて自己負担。生活費もかかる。貯金を切り崩しながらの生活が続いている。

 「お金の切れ目が、命の切れ目。患者にとって抗がん剤はがんと戦う武器なのに、武器を持たずに戦えというのか」

                ■  ■  ■

 がん全体の発生件数のうち1%を占める小児がんなど、絶対数が少ないがんは、事態がより深刻だ。

 国立がんセンター中央病院小児科の牧本敦医長は「患者が少ないと、製薬会社も利益が小さいため薬の開発や承認を取ることに消極的。小児がんのために開発された薬はほとんどなく、大人の抗がん剤で効果が確認されたものを取り入れて治療するしかない」と話す。

 牧本医長の患者で、埼玉県杉戸町の田中真人君(3)=仮名=は再発したがんと闘う患者の一人だ。元気に病室内を走り回る姿は健康な子供となんら変わりないが、直面している現実は過酷だ。

 2歳の時に小児特有のがん「神経芽腫」が見つかり、今年2月、左肩の骨に転移が発覚した。「難しい治療になる」。地元の医療機関では症状緩和中心の治療も勧められたが、治る可能性を信じ国立がんセンターに転院した。

 母親(32)には日本の現状が理不尽に思えてならない。「効果が見込める薬があるのに使えないなんておかしい。せめて死と向き合う病気くらいなんとかならないのでしょうか」

 真人君は現在は2種類の承認薬を使って治療を行っているが、次に使える承認薬は日本にはない。

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